今年1月、日米安保60周年を盛大にお祝いしたのだが……(C)時事

 

 ドナルド・トランプ米大統領の前補佐官(国家安全保障問題担当)ジョン・ボルトン氏のホワイトハウス暴露本 “THE ROOM WHERE IT HAPPENED”の、

「大統領は、『日本政府に在日米軍駐留費年間80億ドル(約8600億円)の負担を要求、応じなければ、在日米軍を撤退させると脅せ』と話した」

 という記述が話題になっている。

 日本政府は否定しているが、トランプ大統領の発言を、多くの報道・評論は、「強請、集り」の類いと言わないまでも、批判的空気を漂わせている。そもそも在日米軍駐留費の日本負担は、1978年、金丸信防衛庁長官(当時)が「思いやりを持って対処する」と発言したことに端を発して「思いやり予算」と呼ぶようになったものだ。

自前で用意すれば要求以上の経費負担に

 米海軍基地から米空軍基地へと転換した青森県三沢基地にF16が本格的に展開したのは、1985年である。米本土からやって来る在日米空軍の新設部隊軍人のために、家族および基地内居住隊員の新たな宿舎建設には「思いやり予算」から充当された。航空自衛隊三沢基地の隊員は、自分たちの家族官舎や隊舎と較べ米軍の新築宿舎の充実に羨望を隠さなかった。

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