6月22日、フランスを公式訪問したチュニジアのサイード大統領(左)とマクロン仏大統領。新型コロナの感染拡大が続くなか、フランスが先陣を切って行った首脳会談だった (C)AFP=時事

 

 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は6月22日、訪仏したチュニジアのカイス・サイード大統領をエリゼ宮に迎えた。

 新型コロナウイルスの影響で、直接に会う首脳外交が世界中でストップして以降、リモート会談がもっぱらだったが、フランスが先陣を切って儀礼を伴う首脳外交へ踏み出した。

差し迫った2つの課題

 チュニジアでは昨年7月、ベジ・カイドセプシ大統領が死去し、これに伴い9~10月に行われた大統領選挙で、イスラム教保守派の憲法学者であるサイード氏が当選した。

 サイード大統領は今年2月、関係の深い隣の“兄弟国”アルジェリアを公式訪問した。4月にはフランス訪問が予定されていたが、新型コロナで延期となっていた。

 しかし6月5日、フランスはサイード大統領の早期の訪仏を要請し、同大統領もこれを受け、新型コロナによるパリ地域一帯の制限措置が緩和される6月15日から1週間後に訪問することで合意した。

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