中国もかつてのソ連の過ちを繰り返すか(かつて居住していたモスクワのクツゾフスキー大通りに設置されているブレジネフの記念碑)
 

 2018年3月にドナルド・トランプ大統領が戦端を開いた対中貿易戦争について、筆者はこれまで何回か『フォーサイト』で採り上げ執筆してきた(「執筆記事一覧」参照)。

 当初から、その本質が貿易紛争ではなく中国の経済的台頭、とりわけ先端技術分野での躍進に対する米国の反撃、すなわち「米中覇権闘争」であり、「新冷戦」と呼ぶべきだと指摘してきた。

 その後、香港の民主化デモをめぐる衝突など米中の角逐はさらに幅を広げた。そして、新型コロナウイルス感染が世界に拡大し、米中ともに第2波の脅威にもさらされる今、さらなる冷戦の道に突き進みつつある。

 加えて6月30日、香港に対して「国家安全維持法」を中国が成立させたことで、いよいよ緊張の度合いが増している。

 ここで注目すべきが、「1979年のソ連」と「2020年の中国」の暗合である。

米国に寄るか中国に寄るか

 米中冷戦は習近平政権の積極攻勢で大きく動いている。

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