次々表面化する共和党内の「トランプ離反」

執筆者:足立正彦2020年7月7日
かつては支持者でありホワイトハウスでも会談していた米人気ラッパー、カニエ・ウェストも、離反どころか自ら大統領選に出馬して対峙すると表明した(C)AFP=時事
 

 現職大統領が再選に挑む際に失敗する予兆として挙げられるのが、自らが所属する政党の支持者らの離反や、党内からの批判である。そうした状況に追い込まれた現職大統領は、無党派層や野党の支持者に対する支持を広げることもできず、むしろ党内での求心力も失って再選に失敗する。

 過去40年を振り返ると、再選に失敗した現職大統領が2人いる。ともに党内からの離反に再選キャンペーンの足を引っ張られ、敗北した。

 1人は、1980年大統領選挙で共和党候補であったロナルド・レーガン前カリフォルニア州知事(当時)に対し、現職大統領として歴史的惨敗を喫したジミー・カーター大統領(民主党)である。

 そしてもう1人は、1992年大統領選挙で実業家ロス・ペロー氏が第3政党から出馬したことで、一般投票で約19%を獲得して保守票を切り崩された結果、民主党大統領候補であったアーカンソー州のビル・クリントン知事(当時)に再選を阻止されたジョージ・H.W.ブッシュ大統領(共和党)である。

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