「深追いすべし」と判断したウォーレン・バフェット氏(C)EPA=時事

「着眼大局、着手小局」という言葉がある。

 広い視野を以て全体像を把握し、足元を見つめながら具体策を着実に実行する、とでもいう意味だ。

 定性的には分かりやすい表現だが、時間軸を織り込むとどうなるのだろうか。

 7月6日(月)の朝、「Dominion drops pipeline project and sells gas business to Berkshire Hathaway」と題する『フィナンシャル・タイムズ』(FT)記事を読みながら、そんなことを考えていた。

 思い起こせば1980年代半ばの最初のロンドン勤務時代、これこそ「着眼大局」ということか、という強い印象を受けたことがあった。

 当時、筆者は「三井物産ロンドン支店」でオイルトレードに従事していた。

 トレードの主戦場は「15日ものブレント原油(Brent 15-days)」と呼ばれる先渡し取引だった。

 これは北海産ブレント原油の現物取引だが、受渡月と価格以外は定型化されており、売主が買主に3日幅の受け渡し期間を15日前までに通知する、という条件の相対取引だった。

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