化石燃料事業「撤退」と「拡大」対照的判断の意味
2020年7月7日
「着眼大局、着手小局」という言葉がある。
広い視野を以て全体像を把握し、足元を見つめながら具体策を着実に実行する、とでもいう意味だ。
定性的には分かりやすい表現だが、時間軸を織り込むとどうなるのだろうか。
7月6日(月)の朝、「Dominion drops pipeline project and sells gas business to Berkshire Hathaway」と題する『フィナンシャル・タイムズ』(FT)記事を読みながら、そんなことを考えていた。
思い起こせば1980年代半ばの最初のロンドン勤務時代、これこそ「着眼大局」ということか、という強い印象を受けたことがあった。
当時、筆者は「三井物産ロンドン支店」でオイルトレードに従事していた。
トレードの主戦場は「15日ものブレント原油(Brent 15-days)」と呼ばれる先渡し取引だった。
これは北海産ブレント原油の現物取引だが、受渡月と価格以外は定型化されており、売主が買主に3日幅の受け渡し期間を15日前までに通知する、という条件の相対取引だった。
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