最後はこの3人の争いだった(第2回投票2日前に行われたテレビ討論の模様。左から右派ダティ候補、現職イダルゴ市長、そして惨敗したマクロン与党ビュザン候補。イダルゴ氏ツイッターより)
 

 新型コロナウイルスで中断されていたフランスの地方統一市町村議会議員選挙が終わった。2022年の再選を目指すエマニュエル・マクロン大統領にとっては、政権の基盤を固める意味でも重要な選挙だった。しかし結果は、思いがけない惨敗だった。

 改めておさらいしておくと、フランスでは「市」「町」「村」の区別はなく、すべて「コミューン」と呼ばれる。また、首長と議員が別々に選ばれるのではなく、当選した議員の互選で首長(議長も兼任)が選ばれる。

 人口1000人以上のコミューンではあらかじめ順位をつけた候補者名簿を公表し、有権者が政党に投票して議席の配分をする「拘束名簿式比例代表2回投票制」となる。

 第1回で過半数をとった名簿があれば、その名簿に議席の半数が配分され、過半数を獲得した名簿がなければ、第2回の投票が実施される。

 ただし、第2回の投票は、第1回の投票で10%以上を獲得した名簿のみが対象だ。

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