7月10日、暫定配備のため、陸上自衛隊木更津駐屯地に到着した輸送機オスプレイ (C)時事
 

 いま世界は、米・中・露の軍事大国が軍備と示威行動を誇示し、多数の中小国家や非国家主体と呼ばれるテロ集団が武力を行使して国際秩序を混乱させている。この現実にあって、世界の国々が軍事力を保有し強化を図っているが、日本も例外ではなくなった。

「感謝」と「批判」のギャップ

 日本は周知のとおり、第2次世界大戦後の70年間、「戦争と無縁」の専守防衛政策を貫いた「防衛力保有の例外国」であった。

 しかし防衛政策は、2014年に集団的自衛権行使容認へと「転換」して以降、「憲法改正」を急ぎ、「攻撃的自衛」の議論を進めている。日本はいま、国民のコンセンサス抜きに「普通に戦争できる軍事力」を保有する国となりつつある。

 他方で軍事力は、非軍事的役割において、現下の「新型コロナウイルス」感染対処をはじめ、疫病・地震・台風・豪雨・大火災などの救援、紛争・武力衝突収束後の復興支援や国連平和維持活動(PKO)と、多岐多様の求めに応えている。自衛隊の国内外における貢献は耳目に新しく、信頼と感謝の対象でもある。

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