ソレイマニ司令官を攻撃したとされるドローン攻撃機と同型のMQ-9 Reaper (C)AFP=時事

 

 国連人権理事会特別報告者のアグネス・カラマード氏が、今年1月のアメリカによるイランのガーセム・ソレイマニ司令官殺害事件について、国際法違反だと断ずる報告書を7月9日に提出したことがニュースになった。

「イスラム革命防衛隊」において特殊作戦を行う「ゴドス部隊」(Quds Force)を率いていたソレイマニ司令官がイラクのバグダッド空港に到着したところを、アメリカがドローン(最新型のGeneral Atomics MQ-9 Reaper)から発射したミサイルで攻撃した。そして同伴していたイラクの「カタイブ・ヒズボラ」の指導者アブ・マフディ・ムハンディス氏とともに、同司令官を殺害したのである。この事件を、カラマード氏は、国際法違反の行為であったと断じたのだ。

 今回カラマード氏は、アメリカは自衛権行使を主張するための十分な証拠を示していないという理由で、アメリカの行為の国際人権法違反を主張している。

 現在のドナルド・トランプ政権は、アメリカの歴代の政権と比べても、国際法を意識した議論をしない傾向を持っている。そのため、アメリカ政府はほとんど反論を示すことをしていない。

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