豪州が直面する「環境」か「雇用」か「二律相反」の苦悩
2020年7月16日

ニューサウスウェールズ州ナラブライは小麦の産地としても知られる。こうした農地が「経済優先」で失われる危惧も(ニューサウスウェールズ州公式HPより)
筆者が石油開発会社に勤務していたとき、親会社で石炭部長の経験のある同期入社の御仁が常勤取締役として着任してきた。確か、筆者がバンコク事務所長をしていたころだ。
バンコクから東京に出張したとき、酒席を共にする機会があった。
商社同期入社とはいえ、石炭部は鉄鋼部門に属しているため、エネルギー部門に属していた筆者は、それまで当の御仁と親しく話をしたことはかった。
ほぼ初めて一緒になった酒席では、とうぜん仕事の話になる。
話をしていて、どうもかみ合わない点があった。議論が空回りしてしまうのだ。
つらつら話し込んだ結果、判明したのは「埋蔵量リスク」の認識が異なっているということだった。
その時まで筆者も知らなかったことだが、石炭には石油でいうところの「埋蔵量リスク」はない。
なぜか。
技術音痴の筆者の理解はこうだ。
生成原理については、石油は動物由来、石炭は植物由来とされている。
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