残された1つの大きな謎
2020年7月18日


インタビューに応じた小和田氏(筆者撮影)
「1つの事実であっても、人によって違って見える場合があります。これから私がお話しするのは、あくまでも私の目から見たTICAD(アフリカ開発会議)開催へ向けたプロセスです。それでもよろしければ、お話しいたします」
2020年1月13日の午後。元外務事務次官の小和田恆氏は、東京都内の自宅で筆者にそう切り出した。1991~1993年に事務次官、94年~98年に国連大使、その後2018年まで国際司法裁判所判事を務めた明晰な頭脳は87歳になる現在も衰えを知らず、30年近く昔の出来事について鮮明に記憶していた。
2時間以上に及んだインタビューで、小和田氏の口からは、これまで明らかになっていなかったTICAD開催の経緯に関する数々の貴重な証言が語られた。
さらに6月17日に補足的な2回目のインタビューが行われた。その内容については順次書き記していくとして、最初に「TICADとは何か」を少し詳しく説明したい。
TICAD立ち上げを指揮した小和田氏
「豊富な天然資源を有し、増加を続ける巨大な人口を持つアフリカとの関係は、日本経済の今後にとっても重大な意味を持っている」
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