ガイアナ及びスリナム沖合の鉱区図(各種資料を基に作成)=「JOGMEC」(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構)舩木弥和子氏作成「Liza油田生産開始で産油国となるガイアナ」2019年12月27日より)
 

 石油開発事業に従事していると、「地下」と「地上」とでは異なる課題があると考えることがある。いや、こう区分するのは、筆者だけかもしれない。

 筆者の認識では、「地下」の課題とは、石油・ガスの賦存の問題だ。

 そもそも賦存しているのか。賦存しているとして、深度はどのくらいか、どのような広がりを持っているのか、厚さはどうか。あるいは賦存層に至る途中の地層状況はどうか、商業生産に持ち込めるか等々である。

 一方「地上」の課題とは、それらを商業化するにあたり直面する問題だ。

 地下資源は、米国、カナダ以外ではほぼすべて所在国の所有だが、未だに政府所有であれば、いつ、どのような条件で入札が行われるのか、あるいは既にどこか民間企業が所有しているのであれば、どの企業か、そこが売り出すことはあるのか。そもそも当該国の税制はどうなっているのか。販売市場は国内にあるのか、輸出が必須か。開発に要する費用はどのくらいか、外部金融は手配できるか、事業の経済性は成り立つか、等々である。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。