米シェールの隠された「余剰生産能力」=DUC坑井を見極めることが重要(「EIA」HPより)
 

 本欄『フォーサイト』の利点の1つは検索機能だろう。

 たとえば「余剰生産能力」で検索すると、本欄でこの語句が最初に使われたのは、まだ月刊誌だった2000年10月号に掲載された『“市場のカジノ化”が生む石油危機』(著者、小西太氏)という記事だったことが分かる。

 もっとも当該小西氏論考は、原油生産と石油精製の「余剰生産能力」を混同しているので、説得力を喪失しているのが残念だ。

 ちなみに原油生産に関する「余剰生産能力」とは、米国エネルギー省傘下の「エネルギー情報局」(EIA)の定義では、

「30日以内に増産可能で、90日間維持できる能力」

 となっており、「国際エネルギー機関」(IEA)は、

「3カ月以内に増産可能で、当分の間維持できる生産能力」

 としている。

 つまり、短期間のうちに増産することができ、その生産水準をある一定の期間、維持できる能力、ということだ。

 世界のどこかで不測の事態が発生して石油供給が逼迫した場合、市場の不安を解消し落ち着かせるためには、「余剰生産能力」の存在が重要だ。

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