急速に安倍首相との関係修復が進んでいるという(C)時事

 

「ポスト安倍」をめぐる自民党内の構図が変わりつつある。

 安倍晋三首相と麻生太郎副総理兼財務相は、これまで岸田文雄政調会長を意中の候補としてきたが、いつまで経っても求心力が上がらない状況にしびれを切らし、別の選択肢を探り出したのだ。

 首相は体調に不安を抱え、続投は困難と見られる。そこで後継にはここにきて菅義偉官房長官の名が急浮上しており、首相は菅氏が肝いりで進める観光支援策「Go To トラベル」で共闘するなど、不仲だった関係の修復を急いでいる。

「岸田がこの調子だと……」

「平時なら『岸田首相』でいい。しかし、新型コロナウイルスの問題で政権の求心力が落ちている今は、岸田がこの調子だととても任せられない……」

 麻生氏は7月下旬、2人きりで面会した麻生派の側近に、ポスト安倍の行方を神妙な面持ちでこう漏らした。

 この側近は、麻生氏から今春まで、

「岸田派は動きが鈍いから、お前が他派の議員と接触を増やせ」

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