あらゆる世論調査の支持率で劣勢だけに焦りがつのる大統領(C)AFP=時事

 

 2020年米国大統領選挙については、帰趨を決することになる「激戦州」として注目され続けてきた地域がある。それは、2016年大統領選挙でドナルド・トランプ候補(当時)がすべて勝利を収めた北東部から中西部にかけて広がるペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシン、オハイオ、アイオワといった「ラスト・ベルト」と呼ばれる各州である。

注目され続ける「ラスト・ベルト」

 1990年代に入ってから行われた6度の大統領選挙(1992年、1996年、2000年、2004年、2008年、2012年)で共和党候補が一度も勝利することができなかったペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州において、トランプ候補は前回2016年、共和党候補として初めて勝利を収めている。

 また、中西部の主要州の1つオハイオ州では284万票あまりを獲得し、239万票あまりだったヒラリー・クリントン候補に得票率8.13ポイント差で余裕の勝利を収めた。

 同州は、1896年大統領選挙で同州選出の連邦下院議員、州知事を経て共和党大統領候補として挑んだウィリアム・マッキンリーが次期大統領に当選して以降、前回2016年大統領選挙でのトランプ氏の勝利まで、2度の例外を除いてすべて次期大統領当選者が勝利してきた歴史がある。

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