悪質極まる「人権侵害」の「日本語学校」に「入管庁」はどう対応したか
2020年8月7日
7月17日午前10時前——―。
栃木県宇都宮市の空は梅雨の厚い雲に覆われていた。気温は20度前後と、この時期にしては低い。
そんな中、ベトナム人留学生のクオン君(25歳)は、市中心部にある東京出入国在留管理局宇都宮出張所に向け、自転車を走らせていた。
1週間ほど前、入管当局から「17日の10時に来てもらいたい」との連絡があった。呼び出しの理由は告げられなかったが、クオン君には思い当たる節があった。
今年3月に日本語学校を卒業して以降、クオン君は学校に通っていない。食品関連の工場でのアルバイトも週3日だけなので、時間はたっぷりある。入管に「はい」と返事をして、電話を切った。
ベトナム人の友人とシェアするアパートから入管までは自転車で10分ほどだ。4月以降、ビザの更新問題で何度も訪れ、すっかり通い慣れている。
入管に到着すると、まず入り口に置いてあった消毒液を手に吹きかけた。新型コロナの感染リスクを避けるため、職員たちは皆、マスクで顔を覆っている。案内された部屋の前にも消毒液がある。それをもう一度手につけ、
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