「人手不足」と外国人 (52)

悪質極まる「人権侵害」の「日本語学校」に「入管庁」はどう対応したか

執筆者:出井康博 2020年8月7日
カテゴリ: 政治 社会
エリア: アジア
ベトナム人留学生らは日本人が就労しないこうした作業のアルバイトもこなさねばならない(イメージ写真です)(C)時事
 

 7月17日午前10時前——―。

 栃木県宇都宮市の空は梅雨の厚い雲に覆われていた。気温は20度前後と、この時期にしては低い。

 そんな中、ベトナム人留学生のクオン君(25歳)は、市中心部にある東京出入国在留管理局宇都宮出張所に向け、自転車を走らせていた。

 1週間ほど前、入管当局から「17日の10時に来てもらいたい」との連絡があった。呼び出しの理由は告げられなかったが、クオン君には思い当たる節があった。

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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