ファイブアイズの一角をなす英対外情報部(MI6)の本部(C)時事

 

 8月4日付の『産経新聞』がこんな記事を掲載した。

「日本が英語圏5カ国の機密情報共有枠組み『ファイブアイズ』に参加するよう促す発言が相次いでいる」

 記事はこう続く。

「7月21日に河野太郎防衛相と電話会談したトゥゲンハート英下院外交委員長はこう述べた。『日本を入れてシックスアイズにしたい』。関係者によると河野氏は提案に前向きだったという」

 この記事を読むと、英国側から日本の河野大臣に「ファイブアイズ」に加わってほしいとラブコールがあり、それに河野大臣が「前向き」に応じたというふうに理解できる。

 だがちょっと取材をしてみると、どうもそうとも言えないようである。

ニュアンスがまったく違う英紙の報道

 その「温度差」は、例えば、同じ河野大臣とトム・トゥゲンハート英下院外交委員長との対話について報じた英紙『ガーディアン』を読めば感じることができる。

 同紙は、河野大臣が「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(TPP11=CPTPP)」に英国を迎えたいと発言し、さらにファイブアイズの6番目のパートナーになりたいという提案が「河野からなされた」と報じている。トゥゲンハートはそれに対して、

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