州兵に守られたミネソタ州議事堂 2020年5月31日(筆者撮影、以下同)
 

 ミネソタ州ミネアポリスでは5月30日を境に、抗議運動から暴動の要素が消え去り、街は落ち着きを取り戻した。

 最大の理由は、ミネソタ州の州兵約1000人を動員して、ミネアポリスの街から暴徒を追い出したからだ。ミネソタ史上、はじめてのこととなる。

 翌31日の日曜日。

 テレビの夕方のニュースが、セントポールの州議事堂周辺で約1500人が集まり、白人警官が黒人のジョージ・フロイドを殺したことに対し抗議活動を行っている、と伝えた。そのニュースを見て、私は州議事堂へと向かった。到着したのは午後8時前。同日の午前中も、州議事堂が見えるセントポール大聖堂で教会のミサ再開に関する取材をしたばかりだった。

議事堂前に並ぶ装甲車

 この日の外出制限は午後8時から。

 私が州議事堂に到着した時には、州兵が装甲車10輌近くを出し、州議事堂周辺を制圧していた。抗議運動のデモ隊のほとんどはすでに、州議事堂前を離れて帰宅の途に就いたようだった。

 州議事堂前には8輌の装甲車を並べ、鉄柵で周囲を囲うという念の入れよう。ミネアポリスの警察署が放火された後で、州議事堂にまで被害が及ぶことを避けたかったのだろうか。

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