【特別連載】米大統領選「突撃潜入」現地レポート (16)

「フロイド事件」抗議デモで燃え上がる「ミネアポリス」の夜(中)

執筆者:横田増生 2020年8月11日
エリア: 北米
州兵に守られたミネソタ州議事堂 2020年5月31日(筆者撮影、以下同)
 

 ミネソタ州ミネアポリスでは5月30日を境に、抗議運動から暴動の要素が消え去り、街は落ち着きを取り戻した。

 最大の理由は、ミネソタ州の州兵約1000人を動員して、ミネアポリスの街から暴徒を追い出したからだ。ミネソタ史上、はじめてのこととなる。

 翌31日の日曜日。

 テレビの夕方のニュースが、セントポールの州議事堂周辺で約1500人が集まり、白人警官が黒人のジョージ・フロイドを殺したことに対し抗議活動を行っている、と伝えた。そのニュースを見て、私は州議事堂へと向かった。到着したのは午後8時前。同日の午前中も、州議事堂が見えるセントポール大聖堂で教会のミサ再開に関する取材をしたばかりだった。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
横田増生(よこたますお) ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て米アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号を取得。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め、1999年よりフリーランスに。2017年、『週刊文春』に連載された「ユニクロ潜入一年」で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞(後に単行本化)。著書に『アメリカ「対日感情」紀行』(情報センター出版局)、『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)、『仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』(小学館)、『ユニクロ潜入一年』(文藝春秋)、『潜入ルポ amazon帝国』(小学館)、『「トランプ信者」潜入一年』(小学館)など多数。
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