この惨状で「年間8兆円」配当するという「サウジアラムコ」の役割
2020年8月12日

IPO当時(2019年12月)は世界最大の企業価値と話題になったが(C)時事
「大幅減収にも拘らず『サウジアラムコ』は約束した配当支払に固執」というタイトルの『フィナンシャル・タイムズ』(FT)記事を読んで、筆者は首を傾げている。
当該記事の内容を確認するため、「サウジアラムコ」(アラムコ)のホームページに掲載されているプレスリリース「Aramco announces second quarter and half-year 2020 results」を読んでみたが、傾げた首は元に戻らず、さらに困惑している。
当該プレスリリースによれば、2020年と2019年の決算主要数値は次のようになっている。
つまり、2019年の第2四半期は、純益が247億ドル(約2兆6000億円)でフリーキャッシュフローが206億ドル(約2兆2000億円)、そこから134億ドル(約1兆4000億円)を配当した、というわけだ。これには何の疑問も感じない。
だが、2020年第2四半期は、純益は66億ドル(約7000億円)しかなく、フリーキャッシュフローは61億ドル(約6500億円)だ。その上で187.5億ドル(約2兆円)の配当を行う、というのだ。
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