世界に衝撃が走った周庭さんの逮捕(C)AFP=時事
 

 

 香港の民主活動家、アグネス・チョウ(周庭)さんが8月10日、国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕された。11日深夜に保釈されたものの、今後起訴された場合、裁判を経て有罪判決が下れば、長期の有期刑も覚悟しなければならない可能性がある。

 保釈された周庭さんは、

「国安法はまさに政治的弾圧をするためのものじゃないか。もともと法律は市民の権利を守るものだが、今香港政府にとって法律は市民の権利を侵害するものになってしまった」

 と、突然の逮捕を強く批判した。

 活動家のなかでは比較的穏健なグループに属しており、国安法の施行時に政治団体「デモシスト」からの脱退を表明していた周庭さんが逮捕されたのは、日本でのSNSを中心とする世論への絶大な影響力に目をつけた香港当局の狙い撃ちだった可能性がある。

 周庭さんの逮捕は、単なる一活動家の逮捕ではなく、香港当局の対日工作の一環として考えておく視点が必要である。

「今回が最もびっくりした」

 周庭さんは10日夜に逮捕され、11日の深夜に保釈された。

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