この両首脳の手を携えた粘り強い交渉が「歴史的」合意に繋がった(C)AFP=時事
 

「『歴史的』。今回、この形容詞は決して大袈裟ではない」――。

 7月22日の仏経済紙『レゼコー』の社説で、エチエンヌ・ルフェーブル記者はこう書いた。

 新型コロナウイルスの第2波、というよりも、まだ終わっていない流行が再燃してきたため陰が薄くなってしまったが、2020年7月21日は、歴史に刻まれる日になったといっても過言ではない。

 この日の未明に7500億ユーロ(約95兆円)の「欧州復興基金」の合意がなったのである。

 このうち半分以上が返済のいらない補助金であることもさることながら、なんといっても重要なのは、基金の資金を欧州連合(EU)として市場から調達することになったことである。

 2010~12年のギリシャ危機・ユーロ危機の時以来、懸案となっていた「欧州共同債」がようやく実現した。

 シャルル・ミシェルEU大統領は、これこそ加盟各国が「30年間結婚しつづける」証だという。市場から調達した資金の返済期限は30年間だが、その間離別するわけにはいかないというわけだ。

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