米国の経済誌『フォーチュン』が毎年発表している、売上高で見た世界の500社ランキング「フォーチュン・グローバル500」で、中国(香港含む)企業が124社ランクインし、121社の米国を初めて抜いて、首位に立った。3位は53社の日本だった。

 粗鋼生産量、自動車販売台数、国際特許出願件数など様々な指標で既に中国は米国を上回っているが、資本主義の主役ともいえる企業の規模で中国が優位に立つことは米国を強く刺激し、米中冷戦はますます深まる恐れがある。

国有企業が大半を占めているが

「フォーチュン・グローバル500」の国・地域別企業数をどう評価するかについては、意見が分かれるだろう。中国企業124社のうち、90社は国有企業だからだ。

 トップの米「ウォルマート」に続く2位の「中国石油化工集団」(Sinopec)、3位の「国家電網」、4位の「中国石油天然ガス集団公司」(CNPC)は、いずれも国有エネルギー企業である。国内で事実上の独占・寡占を許されており、市場競争でその地位を築いた企業ではない。

 ランキングに並ぶ中国企業の多くは、資金面や政府調達で優遇される国有企業であり、市場の大半は国内。“グローバル企業”といえるのはわずかであり、「上汽(上海汽車)集団」、「第一汽車集団」など米国、ドイツ、日本などとの合弁が経営の主軸となっている国有自動車メーカーですら、輸出はわずかで、中国の巨大国内市場が規模の源泉であるからだ。

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