いまも戦々恐々「欧州」が辿った「コロナ対策」右往左往の変遷「総括」
2020年8月26日
ヨーロッパでは、新型コロナウイルスの第2波をめぐって戦々恐々とした状態が続いている。
欧州主要国では、3月に外出制限・ロックダウンが一斉に開始された。2日で3倍増のスピードで感染者が増加し、猖獗(しょうけつ)を極めたイタリアの事態は世界に大きな衝撃を与えた。
その後感染拡大がひと段落したかにみえた5月以後、フランスを皮切りに段階的な解除が進み、ヨーロッパでは観光シーズンに合わせて域内の自由移動も復活し、行楽地などでも人の賑わいが徐々に回復した。
エマニュエル・マクロン仏大統領は6月半ば、「最初の勝利」と発言した。感染は一旦抑え込まれていたかのようだった。
しかし、6月後半以後30カ国で感染者数が再び増加し始め、そのうち11カ国ではこのまま放置されれば危機的状況に至るというWHO(世界保健機関)の予測が出ていた。
当時の迅速な成功例としては、北ライン・ウェストファリアの人口数万人の都市で食肉処理場の感染爆発直後に都市封鎖し拡大を抑え込んだ例をもつドイツ、ポーランド、スペインが挙げられていた。
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