いまも戦々恐々「欧州」が辿った「コロナ対策」右往左往の変遷「総括」

EUとしての経済金融対策は、最終的にはこの2人、とりわけメルケル首相の翻意が大きく影響した(C)AFP=時事
 

 ヨーロッパでは、新型コロナウイルスの第2波をめぐって戦々恐々とした状態が続いている。

 欧州主要国では、3月に外出制限・ロックダウンが一斉に開始された。2日で3倍増のスピードで感染者が増加し、猖獗(しょうけつ)を極めたイタリアの事態は世界に大きな衝撃を与えた。

 その後感染拡大がひと段落したかにみえた5月以後、フランスを皮切りに段階的な解除が進み、ヨーロッパでは観光シーズンに合わせて域内の自由移動も復活し、行楽地などでも人の賑わいが徐々に回復した。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴(わたなべひろたか) 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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