「黒人暴行」「治安法改正」で大規模過激デモ続くフランスの混迷

執筆者:渡邊啓貴 2020年12月11日
エリア: ヨーロッパ
白人警官3人に激しく暴行される黒人男性の映像が法案反対デモにさらに火をつけた(C)AFP=時事
 

 フランスで目下、「国家」と「市民社会」の泥沼の攻防が続いている。11月28日と12月5日の週末に2週続けて、フランス中で権力に反対する抗議活動が繰り広げられた。

 ここで国家というのは、本来市民を守る側の警察権力のことだ。「国家=権力」と「社会=市民」の対立は、ヨーロッパ近代国家の歴史的構図だ。しかし今日、その構図は必ずしも明確ではない。市民側の主役が誰だか不明なのだ。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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