「合意なき離脱」は回避したブレグジット「合意」の問題点

執筆者:渡邊啓貴 2021年1月8日
満面の笑みとガッツポーズで合意を喜ぶジョンソン首相だが(C)AFP=時事
 

 欧州と英国にとって12月24日クリスマスイブ最大のプレゼントは、「穏やかなブレグジット(合意ある英国のEU=欧州連合=離脱)」のための合意が実現したことだった。これをメディアでは「激変緩和」と呼んでいる。

 ようやく一段落というのが、関係者や筆者を含む世界の人々の本音ではないか。筆者自身、2016年6月の離脱を決めた英国民投票以来、フォーサイトで追いかけ続け、折々報告してきた。

 しかし一息つくのも束の間、改めて考えると、ブレグジットそのものがヨーロッパの今後に大きな禍根を残すことには変わりはない。

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執筆者プロフィール
渡邊啓貴 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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