満面の笑みとガッツポーズで合意を喜ぶジョンソン首相だが(C)AFP=時事
 

 欧州と英国にとって12月24日クリスマスイブ最大のプレゼントは、「穏やかなブレグジット(合意ある英国のEU=欧州連合=離脱)」のための合意が実現したことだった。これをメディアでは「激変緩和」と呼んでいる。

 ようやく一段落というのが、関係者や筆者を含む世界の人々の本音ではないか。筆者自身、2016年6月の離脱を決めた英国民投票以来、フォーサイトで追いかけ続け、折々報告してきた。

 しかし一息つくのも束の間、改めて考えると、ブレグジットそのものがヨーロッパの今後に大きな禍根を残すことには変わりはない。

誇らしげな会見

 この日満面の笑みを浮かべてボリス・ジョンソン英首相とそれぞれ会見に臨んだウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、

「合意協定は欧州の利益を守り、イギリスとの強固な関係の基盤を提供する」

「私たちは最終的にブレグジットを解決することができるだろう」

 と語った。将来の関係について合意したことを、同委員長は誇らしげに記者たちに開陳した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。