57.エリオット・エイブラムス・ベネズエラ特使兼イラン特使(72

 国務省政策立案局長を経て2018年8月からマイク・ポンペオ国務長官により国務省に新設されたイラン特使を務めていたブライアン・フック氏は、ポンペオ国務長官とともにトランプ政権下の対イラン制裁強化政策である「最大限の圧力キャンペーン」を積極的に推進してきたが、8月6日に辞任の意向を表明した。

 そして後任として、2019年1月からベネズエラ特使を務めているエリオット・エイブラムス氏が就任することを、国務省が8月6日に発表した。エイブラムス氏は、ベネズエラ特使とイラン特使を兼務することになると国務省は説明している。

 ベネズエラでは生活必需品も不足し、極めて厳しい経済状況が続く中、野党のフアン・グアイド国会議長が2019年1月に暫定大統領就任を宣誓した。トランプ政権も、左派のニコラス・マドゥロ政権には正統性がないとして「グアイド暫定大統領」を承認し、これによってマドゥロ政権は米国との断交を発表。直後の同年1月25日、ポンペオ国務長官はエイブラムス氏をベネズエラ特使に指名している。

 トランプ大統領との関係では、2016年共和党大統領候補指名獲得争いでは、エイブラムス氏はトランプ候補(当時)を批判する一方、テッド・クルーズ(テキサス州選出)、マルコ・ルビオ(フロリダ州選出)の2人の上院議員を支持していた。

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