粉飾「JDI」が象徴する日本ハイテク産業「第3の敗戦」
2020年8月31日
日本の歴代政権が標榜してきた「ハイテク立国」の座が風前の灯となりつつある。
2000年代以降のいわゆる「第2の敗戦」で、日本のエレクトロニクスメーカーは家電やパソコンなど完成品市場で悉く存在感を喪失した。薄型パネル生産にヒト・モノ・カネを惜しみなく注ぎ込んだ韓国「サムスン電子」などに瞬く間にテレビ市場のシェアを奪われたのは記憶に新しいが、その「敗戦」後、電子部品や高機能部材などに活路を見出してきた日本の製造業が、ここにきて息切れしているのだ。経営者の間からは、「市場のダイナミズムから大きくズレた“国策”が産業界の新陳代謝を阻害している」との声が漏れてくる。
経産省「主導」の無残な結果
『日本経済新聞』が毎年行っている世界市場調査の2019年版(8月13日掲載)で、日本企業の凋落が一段と鮮明になった。
スマートフォン向けの中小型液晶パネルとリチウムイオン電池向け絶縁体で中国企業にシェア首位を奪われたほか、半導体DRAMや薄型テレビでは、韓国企業との差が拡大した。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。