新型コロナで赤字経営を余儀なくされている医療機関も多いが、これまで国の財政を圧迫してきた医療費が減少するのかといえば、そうでもないようです(写真はイメージです)

 

 新型コロナの蔓延で病院へ診療に訪れる一般の患者数が減り、病院経営が苦境に立たされている。「日本病院会」「全日本病院協会」「日本医療法人協会」の病院3団体(加盟病院4496)が8月6日にまとめた調査では、回答した1459病院のうち6割以上が赤字になった。

統計数字ではまったく違う姿

 調査は、「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査(2020年度第1四半期)結果報告」。赤字になった病院は4月が69.4%(前年2019年4月は47.1%)、5月が62.8%(同34.8%)、6月が67.7%(同55.5%)と、3カ月連続で経営が大幅に悪化していることが分かった。

 新型コロナに対処するため、専用病棟や空き病床を確保したり、一時的に外来病棟を閉鎖したりするなど、コロナ対応を行った病院で、新型コロナ以外の患者の受け入れ数が減ったのが1つの要因だ。新型コロナ患者を受け入れる準備をした病院では赤字の割合が高く、4月が82.1%、5月が80.0%、6月は82.1%に達した。

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