内容に賛否はあろうが、堂々たる論(「シーメンス・エナジー」初代CEOブルチ氏=同社HPより)
 

 若い友人たちがやっている「そうだ、海外へ行こう」(SKI)という勉強会で話をしたことがある。43年間のサラリーマン生活のほぼ半分、21年間を海外勤務で過ごした筆者への依頼は、「海外に行くことの意味」について、分かりやすい経験談をして欲しい、ということだった。

 考えて、考えて、若い仲間たちにぜひ理解して欲しい「違う」という言葉の意味を、次のように紹介した。

〈我々日本人が無意識に使っている「違う」という言葉、英語では何と言うでしょうか?

 お気づきの方もおられると思いますが、日本語の「違う」という言葉には、じつは価値判断を含んだ「wrong」という意味がこめられています。価値判断を含まない「different」という意味だけではないんですね。

 でも海外で「違う」とは、まず価値判断を含まない「different」なんです。

 AとBは「違う」、ただそれだけのことなんです〉

〈筆者が最初に家族同伴で勤務したロンドンでのことですが、子供たちが遊ぶゲームの中に「人あてクイズ」とでも言うべきものがありました。10枚ほどのカードの1つ1つに名前と人物像が描かれていて、1人の子供がそのうちの1枚を心に思い浮かべ、その人物になりきります。たとえば「ジョン」だとか「アン」だとか、ですね。そして、他の子どもたちがその子に「イエス、ノー」で答えられる質問を何回かして、それが誰かを当てる、というゲームです。

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