負けは承知。問題は「解散」と「次」だが……(C)AFP=時事
 

 9月8日に告示、14日投開票となった自民党総裁選は、最有力と言われる菅義偉官房長官が自民党内主要派閥の多くの票を固め、勝利がほぼ確実な情勢となっている。

 勝負が決まった感があるため、世間の関心はやや薄らいでおり、安倍晋三首相が辞意を表明した8月28日をピークにして、それ以降、ニュース番組や新聞の紙面での総裁選の扱いは徐々に小さくなってきた。

 しかし、劣勢の岸田文雄・自民党政調会長と石破茂・元自民党幹事長は撤退するつもりはないようだ。今回総裁選の結果しだいで、たとえ敗北しても両氏が総裁の座に再挑戦できる可能性が残されているからだ。

「特に緊急を要するとき」なのか

「どんな逆風の中でも戦い続けなければならない」(岸田氏)

「自分に不利だからやめておこう。私はそういうような判断はいたしません」(石破氏)

 岸田氏は8月31日、石破氏は9月1日、それぞれ総裁選出馬についてこう語った。

 ほぼ負け戦となるだろうと予想できる今回の総裁選に挑むのは、ここまで来たら引くに引けないという心理的要因もあるだろう。だが、それだけでなく今回の総裁選が来年の総裁選の前哨戦という意味を持っているからでもある。

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