教保文庫(光化門店)の店舗に並ぶ「政治・社会」分野のベストセラー(2019年10月、筆者撮影)

 

 韓国ソウル中心部にある光化門広場は、朝鮮時代の王宮だった景福宮と、その向こうに青瓦台(大統領府)を望む、韓国を象徴する場所であると同時に、集会やデモが頻繁に行われることで知られる。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の「国政壟断」を糾弾する「ろうそく集会」も、数々の不正疑惑が明るみに出た曺国(チョ・グク)前法相と文在寅(ムン・ジェイン)政権を断罪する大規模集会も、ここで行われた。国民が互いに「韓国に正義はない」と苛立ち、反目しあう舞台である。

 その光化門広場から緩やかなスロープを下りてすぐのところに、大型書店の「教保文庫」がある。

 店内にはソファや大きなテーブルも置かれ、大勢の人が訪れるカルチャースポットだが、そこに並ぶ書籍は、韓国の深刻な対立と分裂、人びとの怒りを如実に示している。「政治・社会」分野の7月の月間トップ20と8月第4週の週間トップ10に入った本をもとに、韓国の「いま」を観察してみたい。

保革対立とメディア不信

 右派の論客、ウ・ジョンチャンによる『大統領を葬った偽りの山』は、1年前に出版されたロングセラーである。今年2月に続編も出た。

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