インド「マイナス23.9%ショック」からの回復兆しに影落とす「印中対立」
2020年9月9日
8月31日に発表された2020年4-6月期のインドの実質GDP成長率は、年率で前年同期比マイナス23.9%という、1980年度以降で最悪の数字となった。これは欧州や東南アジア主要国の成長率を下回り、G20諸国では最も低い。
もちろん、インド政府が3月末に踏み切った都市封鎖(ロックダウン)で、あらゆる経済活動が大幅に制限されたことが背景にある。インド経済が今年度後半からは回復に転じるとの予想も出ているが、失業して農村に帰郷した労働者の再配置には時間がかかり、将来に不安を覚える市民の消費意欲が直ちに回復するかどうかも心もとない。
すべての元凶である新型コロナウイルスの感染者は9月上旬、ついに累計400万人を突破、連日8万人超の新規感染者が報告されており、死者も7万人を超えた。
これだけ大規模なロックダウンを実施してヒトの移動を制限し、海外からのビジネス・観光客にも扉を閉ざしたのだから、マイナス20%前後の減速は当然予想されたが、やはり実際に発表されてみると、そのインパクトはただならないものがある。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。