9月9日、台北市内にソマリランド共和国の代表機関が開設され、式典で握手の代わりに「肘タッチ」をする台湾の呉釗燮外交部長(左)とソマリランドのモハメド・ハギ代表 (C)時事

 

 9月9日、アフリカ大陸東端のソマリランド共和国が台北市内に代表機関を設置したというニュースが、日本のメディアでも報じられた。台湾は、すでに8月17日にソマリランドに代表機関を設置しており、海外メディアではこれもかなり取り上げられていた。

 非常に興味深い動きだ。台湾は、事実上の国家であることが確かであるのに、諸国の国家承認を十分に受けられていない「国」の中で、筆頭格の規模を持つ。もっとも台湾(中華民国)を国家承認している国は皆無ではない。太平洋島嶼国や中南米諸国などの中に、台湾を国家承認している国がある。

 これに対してソマリランド共和国は、約30年にわたって事実上の独立国としての実効統治体制をとってきていることは周知の事実でありながら、世界のどの国からも正式な国家承認を得ていない点で、際立った特徴を持つ「未承認国家」である。

 新型コロナウイルス対策の成功で、日本でも台湾の存在の認知度は高まっているように思う。もともとの親日的な土壌に加えて、蔡英文総統の日本に対する華麗な外交術もあり、親近感も高まっているのではないだろうか。

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