首都トビリシの議会(筆者提供)

 

 新型コロナ禍で動きが鈍っているとは思われるが、ユーラシアの知られざる自然と文化豊かな国ジョージアに短期移住する日本の若者は少なくないようだ。

 たしかにジョージアは日本にはない魅力に溢れている。

 首都トビリシは、洋の東西が出会う古からの活気を取り戻しつつある。郊外に出れば、自然豊かな農村風景がひろがる。人びとはもてなし好きで陽気だ。食事もワインも美味しいし、美しい歌と踊りもダイナミックで魅力的である。何よりも時間の流れがゆったりとしている。

 もっとも、ポストソビエト空間における独立国としてのジョージアの歩みは、決して容易なものではなかった。

 私が留学していた20世紀の終わりは、厳寒期に電気もガスも水道すら止まり、人びとは堪らず街頭デモに繰り出していた。2003年の「バラ革命」(経済混乱や汚職をめぐって起きた大規模デモで政権を倒した無血革命)以降の急激な成長も、2008年のロシアとの戦争によって水を差されることになった。

 新年の「2020年の注目点、気になること」でも記したように、今、ジョージアは政治の季節を迎えている。

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