入院先のベルリンのシャリテ医科大学病院で、家族とともに回復した姿をインスタグラムに掲載したナワリヌイ氏 Instagram account @navalny (C)AFP=時事

 

 ロシアの闇の勢力が再び牙をむいた。

 プーチン政権を声高に批判していた活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏が、シベリアからモスクワへ向かう飛行機の中で意識不明の重体になった。彼はドイツの病院に搬送されて一命をとりとめたが、この事件はロシアとEU(欧州連合)間の「新冷戦」をさらに深刻化させるだろう。

 この事件を受けてドイツでは、ロシアからの天然ガスパイプラインの建設を中止するべきだという声も出ている。

軍が兵器として使用する毒物

 事件が起きたのは8月20日。旅客機はオムスク空港に緊急着陸し、ナワリヌイ氏は家族の要請でベルリンのシャリテ医科大学病院に搬送された。この病院の医師たちは過去にロシアの体制批判者が毒を盛られた時にも治療にあたっており、毒物に関する救急医療の経験が豊富だ。

 シャリテ病院は8月24日に、

 「ナワリヌイ氏の症状は、神経剤による疑いが強い」

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