「許雲峰」の1シーン。中央が、譚正岩の演ずる許雲峰(『中國京劇』7月号より)

 

 習近平中国国家主席は8月26日、1949年の共産党政権成立以来初とされる人民警察旗授与式典に出席した。それも国家主席としてだけではなく、兼任する共産党総書記と中央軍事委員会主席としての立場でも臨み、党と政府の人民警察部門幹部を前にして、「党に対する忠誠」を第一に、「人民に服務」「公正な法執行」「厳格な規律」を含む4原則を強く求めた。

 習国家主席は中国の3大権力基盤である党、政府、人民解放軍を統括する最高権力者として、

「人民警察は、党の絶対的領導と、政治に基づく警察建設の方針を堅持し、終始一貫して党の旗を旗とし、党が指し示す方向に向かい、党の意志を自らの意志とし、断固として党中央の命令に従い、党中央の指揮に服し、絶対の忠誠、絶対の純粋、絶対の信頼を確実なものにせよ」

 と訓示したのである。

 なぜ、ここまで党を強く前面に押し出し、しかも頑なまでに党中央(習国家主席)への絶対的な忠誠と服従を求めるのか。

 じつは習国家主席の内政・外交両面における強硬姿勢が顕著になるに従って、「没有共産党、就没有新中国(共産党がなかったら、新中国はあり得なかった)」といった形式――敢えて表現するなら文化大革命当時を彷彿とさせるステレオ・タイプの共産党讃辞が目立つようになった。

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