中国「対チェコ」脅迫外交から透けて見える焦り
2020年9月23日
「領土と主権は一寸も譲らない。民主主義と自由を堅く守る。防衛の信念と決心を心に刻まなければならない」
9月11日、台湾の蔡英文総統はこう述べて、北部のミサイル部隊に所属する兵士たちを激励した。
この日の部隊視察は、中国がにわかに軍事的圧力を強めている状況を受けたものだ。台湾メディアによれば、10日までの2日間で中国軍の戦闘機などが少なくとも40回は台湾の防空識別圏に侵入したという。異例の多さだ。
中国共産党指導部が台湾への威嚇を強めると決めた大きな要因として、チェコのミロシュ・ビストルチル上院議長が率いた90人規模の代表団による台湾訪問に衝撃を受けたことがあるのだろうと容易に想像できる。代表団は1週間にわたって台湾に滞在し、チェコ政界においてナンバー2という位置づけのビストルチル議長は蔡英文総統とも会談した。
ハイライトは、台湾立法院(国会に相当)での演説で、議長が中国語で「我是台湾人(私は台湾人です)」と言ってのけたことだ。東西冷戦下の1963年、米国のJ・F・ケネディ大統領が西ベルリンを訪問し、ドイツ語で「Ich bin ein Berliner」(私はベルリン市民です)と述べた歴史的な演説へのオマージュであった。
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