まるでボディビルダーかと見まがうほど驚異的な肉体改造でパワーと飛距離を得たのも「我が道」(C)AFP=時事
 

「子どものころ、学校へ行くとき、ランチを買うお金を持っていくことができなかった。食べるものが何もない。そういう苦しい時期が我が家にはあった。作ることができたのは、せいぜいボローニャ・サンドイッチぐらい。それでも両親は、いつも僕にベストを尽くさせてくれた。ゴルフをする機会、練習して上手くなるチャンスを持たせてくれた」

 難コースの「ウイングドフットGC」(ニューヨーク州ママロネック)が舞台となった今年の「全米オープン」を、ただ1人アンダーパーで回り切り、2位に6打差の通算6アンダーで圧勝した27歳の米国人、ブライソン・デシャンボーは、優勝会見の冒頭で両親への感謝を口にした。

 ボローニャ・サンドイッチというのは、米国庶民の誰もが知っている手軽な家庭料理の1つだが、安価なボローニャ・ハムやボローニャ・ソーセージを挟んだだけの質素なサンドイッチは、経済的にも物理的にも厳しい生活を想起させるものの代名詞のように使われている。日本的な表現に言い換えれば「毎日、インスタント・ラーメンをすすっていた」という感じである。

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