風の向こう側 (79)

貧しく苛められ嘲られてもメジャー制覇「デシャンボー」の我が道

執筆者:舩越園子 2020年9月25日
カテゴリ: スポーツ
エリア: 北米
まるでボディビルダーかと見まがうほど驚異的な肉体改造でパワーと飛距離を得たのも「我が道」(C)AFP=時事
 

「子どものころ、学校へ行くとき、ランチを買うお金を持っていくことができなかった。食べるものが何もない。そういう苦しい時期が我が家にはあった。作ることができたのは、せいぜいボローニャ・サンドイッチぐらい。それでも両親は、いつも僕にベストを尽くさせてくれた。ゴルフをする機会、練習して上手くなるチャンスを持たせてくれた」

 難コースの「ウイングドフットGC」(ニューヨーク州ママロネック)が舞台となった今年の「全米オープン」を、ただ1人アンダーパーで回り切り、2位に6打差の通算6アンダーで圧勝した27歳の米国人、ブライソン・デシャンボーは、優勝会見の冒頭で両親への感謝を口にした。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
舩越園子(ふなこしそのこ) ゴルフジャーナリスト、2019年4月より武蔵丘短期大学客員教授。1993年に渡米し、米ツアー選手や関係者たちと直に接しながらの取材を重ねてきた唯一の日本人ゴルフジャーナリスト。長年の取材実績と独特の表現力で、ユニークなアングルから米国ゴルフの本質を語る。ツアー選手たちからの信頼も厚く、人間模様や心情から選手像を浮かび上がらせる人物の取材、独特の表現方法に定評がある。『 がんと命とセックスと医者』(幻冬舎ルネッサンス)、『タイガー・ウッズの不可能を可能にする「5ステップ・ドリル.』(講談社)、『転身!―デパガからゴルフジャーナリストへ』(文芸社)、『ペイン!―20世紀最後のプロゴルファー』(ゴルフダイジェスト社)、『ザ・タイガーマジック』(同)、『ザ タイガー・ウッズ ウェイ』(同)など著書多数。最新刊に『TIGER WORDS タイガー・ウッズ 復活の言霊』(徳間書店)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top