「トランプ2020」の旗を掲げて走るピックアップトラック(ペンシルベニア州オールド・フォージにて筆者撮影、以下同)
 

 9月29日夜(日本時間30日午前)、ドナルド・トランプとジョー・バイデンの1回目の直接テレビ討論が行われた。直前に、『ニューヨーク・タイムズ』がトランプの「納税ゼロ問題」を報じていたこともあり、日本でも注目を集めた。

 90分のディベートのハイライトは、トランプが司会者にトランプ支持者である白人至上主義者たちを非難するのか、と問われるが、トランプは、明確な答えを避けたところだ。

 遡ることその1カ月強前、米民主党が党大会を開いていた8月の第3週、トランプは遊説のため激戦州を回った。民主党に集まる注目を分散させるのが狙いだ。

 ミネソタ州を皮切りに、ウィスコンシン州、アリゾナ州、そして最後は、民主党の大統領候補となるジョー・バイデンの生まれ故郷であるペンシルベニア州スクラントンから車で10分ほど離れたオールド・フォージという町だった。

 これまでの大統領選挙戦では、相手の党が党大会を開いている期間は、選挙活動を極力控えることが慣習となってきたが、トランプにはそんな慣習など通用しない。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。