役所の「通達」は、たった1本で「法律」や「閣議決定」をひっくり返すほど強大な力を持っている(正面が文科省)
 

 日本では、「法律」や「閣議決定」は、それほど強いルールではない――。

 そう言ったら、おかしな話をしていると思われるかもしれない。「法律」は国会で定められる。「閣議決定」は閣僚全員で定められる。いずれも、最高水準の重みある規範だ。それらで定められたら強い拘束力があるに決まっている、と普通は思われているのでなかろうか。

 ところが、現実はそうではない。

「法律」や「閣議決定」よりずっと格下の規範として、各省庁の発出する「告示」や、一官僚の名前で発出する「局長通達」「課長通達」がある。これらのほうが実は強い力を持ち、「法律」や「閣議決定」をひっくり返してしまうことがしばしばある。

 これこそが、日本の行政でまかり通っている現実なのである。

法律では認められていても

 実は、加計問題で広く知られた獣医学部の規制はその一例だ。

 もともと法律で定められているのは、「学部新設には大臣の認可が必要」ということである。ところが、実際に運用されていたのは「獣医学部の新設禁止」というルールで、「国家戦略特区の特例措置として新設を認めた」ことが「ルール破り」として報じられ、それが「事件」として大問題になっていったのである。

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