ベルギー・ブリュッセル街中のPCR検査場(筆者撮影、以下同)

 

 私は普段ヨーロッパに住んでおり、ベルギー・ブリュッセルとスペイン・バルセロナの2拠点を行き来してきたが、コロナ禍によってこの2都市は遠いものになってしまった。

 フライトでは2時間と、国内のように移動できたはずなのだが、新型コロナウイルスの感染が再び拡大している欧州では、各国がそれぞれに独自の対策を取り、EU(欧州連合)統合で長らく消滅していたはずの「国境」が復活した。渡航のためには、刻々と変わる入国先の感染予防策の情報を入手し、EUが統合する前の「海外旅行」のように時間をかけなくてはならなくなったのだ。

「透明性」を目指した「スーパーソフィー」

 7月末からどうしても避けられない用事があり、日本と欧州の往復を2回、そして欧州でベルギーとスペインを2往復する必要があった。この間、日本とベルギーでPCR検査を2回、抗原検査を2回、2週間に及ぶ自主隔離を4回行い、スペイン厚生省、ベルギー厚生省、日本の厚生労働省に連絡先と健康情報を登録し、各国の水際対策を、図らずも身をもって経験することになった。

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