『素顔のヴィルトゥオーソ』第4回 ヴァイオリニスト堀米ゆず子

インタビュアー:ヴァイオリニスト寺下真理子

執筆者:フォーサイト編集部2020年10月11日
巨匠たちとの濃密な交流も自身の音楽観に深い影響を受けたと語る堀米さんと、師事する寺下さん(C)KUNIO TAMURA(以下同)
 

 世界を舞台に活躍するヴァイオリニスト堀米ゆず子さんは、5歳からヴァイオリンを始め、1980年桐朋学園大学を卒業。同年、世界で最も難関と言われるコンクールの1つ「エリザベート王妃国際音楽コンクール」で、日本人初の優勝を飾って世界の注目を浴びた。

 今年は、そのコンクール優勝で世界の楽壇に羽ばたいてから40周年の節目を迎えた。

 だが今年、世界は新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の厳しい状況に置かれ、堀米さんをはじめ世界の音楽家は「演奏会を開けない」過酷な日々を強いられた。

 

 そんななか11月11日、楽壇生活40周年を記念したリサイタル『バッハとともに』がサントリーホールで開催されることになった。

 この40年、世界の一流オーケストラ、指揮者、巨匠らとの共演を重ね、数々の国際コンクールの審査員にも招かれ、若手音楽家の育成にも力を入れてきた堀米さん。

 本シリーズ第1回目(2018年4月5日)に登場した寺下真理子さんも、その教え子の1人だ。

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