政治手腕は非・庶民的(C)時事

 

 菅義偉内閣が発足して10月16日で1カ月となる。「秋田の農家出身」といった純朴なイメージが奏功したのか、内閣支持率は高い水準を維持し、滑り出しは順調だ。

 ただ、組閣と自民党役員人事では、長期政権化を見据えて信賞必罰を徹底させたようなしたたかな動きが目立ち、党内の3大派閥などには不満がたまり始めている。

 首相は早期の衆院解散を見送り、衆院議員の任期満了間近となる来秋に勝負をかける意向だが、この判断が政局に発展する可能性もある。

奏功した「庶民派」イメージ戦略

「私自身が7月にGo Toトラベル(の実施)を判断し、9月15日までに延べ1600万人が利用した。いろいろ心配されたが、(利用者のうち)新型コロナウイルスの陽性者が判明した方は25人だ。コロナ対策は感染拡大防止と社会経済活動の両立を実現すべく取り組んでいく」

 首相は10月9日の内閣記者会によるインタビューでこう語り、官房長官時代に肝いりで始めた観光支援策が成果を挙げている、と胸を張った。

 自信に満ちた表情を見せる背景には、世論の支持がある。

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