「大統領選挙人獲得予測」から見た「トランプ再選」の苦境

米南部フロリダ州サンフォードの選挙集会で、支持者にマスクを投げるパフォーマンスを。大勢の支持者たちも密になりながら、誰一人マスクをしていない（C）AFP=時事

 

　新型コロナウイルスに感染していたドナルド・トランプ大統領は、再選キャンペーンを本格的に再開させた。10月12日には、大統領選挙で再選を果たすためには絶対に負けることができない「激戦州」のうち最大の大統領選挙人29人を抱える南東部フロリダ州入りし、退院後、支持者を前にした初めての政治集会を開催した。そして翌13日には東部のもう1つの「激戦州」であるペンシルベニア州を、さらに14日には中西部のアイオワ州を訪れている。

選挙キャンペーンの流れを変えた10日間

　フォーマットやルールを無視し続けて常軌を逸した自己破滅的なパフォーマンスに終始した、9月29日にオハイオ州クリーブランドで行われた第1回大統領候補テレビ討論会。その直後の10月2日の新型コロナの感染判明、そして感染後のワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センターへの入院と、退院後のホワイトハウスでの自主隔離生活に伴う約10日間に及ぶ再選キャンペーンへの制約は、後に2020年大統領選挙プロセスを振り返ったとき、重大な転換点であったと評価されるかもしれない。

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