深夜の平壌「涙ぐんだ金正恩」と「怪物ICBM」の矛盾(上)
2020年10月20日
北朝鮮は朝鮮労働党創建75周年の10月10日、平壌の金日成広場で、異例の午前零時から「慶祝閲兵式」(軍事パレード)を行った。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は約30分間演説を行ったが、経済制裁、新型コロナウイルス、水害という「三重苦」の中で苦闘する人民や軍に対して「感謝」や「ありがとうございます」という言葉を12回にわたって述べ、人民に「面目ない」と涙ぐむ光景もあった。
演説では、米国に対しては言及を避けたが、
「自衛的正当防衛手段としての戦争抑止力を引き続き強化していく」
と語り、核・ミサイル開発を続けることを明確にした。
さらに軍事パレードでは、新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)である「北極星4」や、世界最大級の「怪物」大陸間弾道ミサイル(ICBM)など多くの新兵器が登場し、米国など国際社会を威嚇した。
「三重苦」の経済的な困難の中で、深夜の平壌で行われた党創建75周年慶祝行事から見えた北朝鮮の現状と今後を分析する。
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