米テキサス州パーミアン陸盆の夜明け。これまで通りの「Dig, Dig, Dig」では立ちいかなくなるのではないか(C)AFP=時事
 

 今となっては昔の話だが、石油開発業界に女性技術者が少なかった時代に、早稲田大学で資源工学を学んでいた女性がいた。仮にM嬢としておこう。

 そのM嬢は、まだ学部3年生のころ、英語を学ぶためにロンドンに短期留学にやって来た。2000年前後の話である。

 石油を業務とする在ロンドンの本社派遣邦人は当時「オイルメン」と呼ばれる業界グループを形成し、年数回のゴルフ大会など、懇親の場を設けていた。一方で、故あって「ロンドン・バッタリークラブ」(LBC)と称して折に触れパブ巡りをしている小グループがあり、筆者もその一員だった。「LBC」には、何人かM嬢の大学同学科卒業の先輩がいた。

 その1人から、

「M嬢が、就職先について諸先輩の意見を聞きたいと言っている。資源工学出身と言っても、全員が石油開発会社に就職するわけではなく、商社に行く人もいるので……」

 と筆者にも声がかかった。確かに、筆者の最初のロンドン勤務の後任者は、早稲田大学理工学部資源工学科の卒業生だった。

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